わたあめ―kimi to hajimete―
更衣室に入った途端に体が震えた。足に力が入らない。
あいつらだ!店がバレた!
怖い…怖いよ…。
〜♪〜〜♪
ビクッ!!
鞄に入れてある携帯が鳴りだした。着信相手は
『アキ』
深呼吸をして電話に出る。
「もしもし…」
『カノ?ゴメン!
今日、和希ん家に泊まるね!』
「そう…。分かった。」
『カノ?どうした??』
「…あのね!」
『うん??』
………!
私…今何て言うつもりだった??アキは今、和君と会ってる。もし、今の状況を話したらきっと飛んで来てくれる。
嬉しいけど今、それはしちゃいけない!
『カノ……?』
電話越しに聞こえるアキの声はだんだん心配気を帯びている。
「……何でもない!
もう切るね!お邪魔しちゃ悪いから♪」
『あ、待って!
カノ、もし…もしなんかあったら今から言う番号に電話して。
番号は…080-xxx-xxxだよ!』
「え?ちょっ、ちょっと待って!」
急にアキが言った番号をワケが分からないままメモ帳に書いた。
「アキ…この番号って?」
『魔法使いに繋がる番号だよ♪
いい?必ず電話しなよ!
そしたらきっと魔法使いがカノのこと助けてくれるから…』
なんじゃそら(笑)
「なんかよく分かんないけど…ありがとう?」
『どういたしまして!』
電話を切って、さっきの番号を一応『魔法使い』と登録した(笑)