わたあめ―kimi to hajimete―
着替えて、更衣室を出るとドアの横に佐藤君が立っていた。
「どうしたの?」
「昨日はすみませんでした!!」
「それ、来たときに謝ってたよ(笑)」
昨日、解散のとき佐藤君を揺すりながら起こしたら、服の上にリ〇ースされた。まぁ、上着一枚がダメになったけどね。
「ほら、頭あげてよ!」
「…はい、あの!何かお詫びしたいんですけど!!」
「いいよ、別に。」
「いえ、そんなわけには…」
律儀な人だなぁ…。
「じゃあ、駅まで送って?
それでチャラにしよ!」
「えっ、そんなんでいいんですか??」
「だって、佐藤君ん家って駅と逆方向じゃない?
またこっちに戻ってから帰るのって結構しんどいと思うよ。
だからいいの!ダメ?」
「全ッ然、いいです!
すぐ支度して来ます!!」
言ってすぐに更衣室に入ると中からゴソゴソと音がしてきた。
「これで今日はなんとかなる……かな。」
ポツリと呟いてから、
佐藤君が出てくるのを待っていた。