わたあめ―kimi to hajimete―
店に戻ると、すでに真っ暗で誰もいなかったから
とりあえず、テラスの影に座った。
これからどうしよう…。
アキは飲みに行くって言ってたし和君は明日も早いだろうし……。
―ガシャンッ
何かが蹴られる音ともに声が聞こえてきた。
「おい!店閉まってっぞ!!」
「あの女…
なめ腐ってやがる!!
いいか!お前ら、あっち探せ!!
俺らはこっち探すぞ!!」
怖い……。
手が……、足が……、
体全部が震えてしまう……。
お願い…!見つけないで…!
―『なにかあったらこの番号にかけて!』
……!
そうだ…『魔法使い』
急いで電話帳を開こうとしても手が震えてなかなか出来ない。
やっとの思いで開いて、祈る気持ちで通話ボタンを…押した…。
(神様―――――!!!)
プルル…プルル…
6回…7回…
お願い!……通じて!!
プルル…プ…
「………ん、……誰??」
通じた――――!