わたあめ―kimi to hajimete―
「さて、寝よっか。
このベッド使いなよ。
俺、下で寝るから」
そう言って立ち上がった神田の服の裾を掴んだ。
「…え、…橘さん?」
「今…1人になりたくない。」
……………………。
「………分かった。」
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―翌朝―
「………ん」
頭…撫でられてる…
気持ちいいな……。
うっすら目を開けると誰かの首もとが見えた。
もっと撫でてほしくてすり寄ってみたら撫でるのをやめてしまった。
「……………ふぇ…?」
「おはよう、橘さん。」
「おはよう……神田君?」
「そろそろ起きようか。
起きれる?」
「……うん」
のろのろ体を起こしながら目をこする。
眠い……。
視界の端では神田が起きあがろうとしていた。
その時…
―ガチャッ
「おい!お前いい加減起きろ!!
飯できっ………」
「あ、兄貴……」
「〜〜〜〜〜#$%%&&%!!!」
なに?!誰?!
雄叫びのした方を見ると神田のお兄さんが鼻から血を出して立っていた。
あ、お兄さんだ。
えっと、とりあえず…
「おはようございます。」
ペコッと頭を下げた途端にドサッと音がした。
顔を上げるとお兄さんが倒れていた……
「え?!なんで??神田君?!」
驚いて神田の方を見るとなんか複雑な顔をしながら
「…とりあえず、着替えて?
兄貴下に運ぶから」
そう言ってお兄さんを担ぎ部屋から出ていった。