わたあめ―kimi to hajimete―


着替えて廊下に出ると下から声がした。

「母さん、
朝ご飯もう一人分いい?」

「いいけど、誰か来てるの?
さっきの雄叫びと関係ある?」


「冬兄の鼻血とまったよ!」


「サンキュ!雪。
詳しくは後で説明するけど
昨夜、橘さん部屋に泊めた。」



「橘さん…って
香弥乃ちゃん?」


「お姉ちゃん来てるの!?」

「今、部屋にいる。
さっきの雄叫びは橘さんが起きた時に兄貴、鉢合わせちゃったんだ(苦笑)」



やっぱ驚かせちゃったんだ…。とりあえず、挨拶しに行こう。



「あの……」


リビングを覗くとお母さんが笑顔で迎えてくれた。


「あら!
ホントに香弥乃ちゃんだわ♪
おはよう!」


「おはようございます。
勝手にお邪魔しちゃってすいません……。」


「いいわよ。
さ、ご飯にしましょ!
3人とも手洗ってきなさい!」





朝ご飯のあと、和君に電話した。


「もしもし?」

『どうした?』

「あのね、今、
神田君の家にいるの…。」


『神田の??それで??』


「迎えにきて欲しいの……
ダメかな…」


『迎えはいいが今は無理だぞ?仕事があるし。
昼過ぎでいいか??』


神田君を見るとOKのサイン。


「うん。ゴメンね…」

『…何かあったんだろ?』


なんで分かるの…?


『じゃ、ちょっと神田のお母さんに代わってくれ』

「分かった。あの……」

「私??」

「はい。」

携帯をお母さんに渡す。

「もしもし、
………あ、いつもお世話に…………
いえ、……はい、はい。
お待ちしております。」
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