わたあめ―kimi to hajimete―


和君が来るまで何してよう。
雪君はプール教室に行っちゃったし……。



「あの…
何かお手伝い出来ることありますか??」


「あら、ありがとう!
でも今はないの…」


「そう…ですか…」

参ったな。
まだ何にも恩返ししてないよ;


「そうだ!春!!」


「なに?」


「香弥乃ちゃんに課題手伝ってもらいなさい。」

「はっ!?」

「だって、
香弥乃ちゃん
課題もう終わってるのよね?」


「あ、はい…」


「……マジ!?…あの量を!?」


「うん。夏休みはガッツリ稼ぎたかったから…」


「ね!そうしなさいな♪」


神田を見ると少し悩んでいた。


「……えっと、
じゃあお願いしていい?」

「あ、うん」


「じゃあ、私は買い物に行くからあとよろしくね!」


そう言ってお母さんは
さっさと出かけて行った。


早い……。



「あの、部屋でいい?」


私は頷いて神田の部屋に向かった。


「えっと、
どの教科からする?」


「数学からいい??」


即答だな。
…………!


「もしかして、和君来るから?」

冗談のつもりで言ってみたけど、神田は素直に頷いた。


「この前、課題しろって言われててまだしてないんじゃ怒られそうだし…」

ぶつぶつ言ってる神田が面白かった(笑)


「分かった!じゃあ『西野先生』が来るまでに終わらせよう!」
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