この美しくも醜い世界で、君は唯一の僕の真実
ヒイロがドアを開けると、知らない臭いがした。


「和樹?何で?仕事だって言ったじゃない」

「早めにけりついたから来たんだよ」

「連絡ぐらいしてって毎回言ってんのに」


「どうせ家にいんだから文句言うな」


男はどかどかと家の中に上がり込んで来る。

オレを見た途端、眉間にシワが寄った。


「何で犬がいるんだよ」

「飼ってるから」

「いつから?」

「和樹が最後にドタキャンした日から。安藤から聞いてない?」

「何で安藤さんが出てくるんだよ。」
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