この美しくも醜い世界で、君は唯一の僕の真実
ジミー2が帰って部屋は静かになって、ヒイロの呼吸だけが聞こえる。

「くぅん」

オレはベッドに身体を半分だけ乗せて、小さくヒイロを呼んだ。

「ギン、ごめんね。散歩いけなくて」

少しだけ目を開けてヒイロがオレの頭を撫でた。

散歩なんていいんだ。

ヒイロがいればそれで良いんだ。
早く元気になってくれ。

そうオレは言いたくてクンクン鳴いても、ヒイロは

「ごめんね」

とオレを撫でるだけだった。
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