この美しくも醜い世界で、君は唯一の僕の真実
「え?いらない?いやそういう訳には、ちょっと!まって」


電話をかけてたゴリラみたいな男が、受話器を置いて申し訳ない顔でオレを見た。

聞こえてたよ。

オレらは鼻だけじゃなく耳も良いんだ。


あの女、オレのこといらないって言ってたな。

こっちだって願い下げだ。
あんな飼い主。

へんなフリルがついた服着せるし

足にバター塗りたくっては舐めさせようとするし

へんな臭いのタバコ吸うし

メシ忘れるし

散歩もサボるし
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