SとNの法則
つまりこの穏やかな灘は柊を見ていて私は論外てことか
私はその事実に少し落ち込んだ
そんな事を知らない二人は楽しそうに会話を始める
「柊先輩、お久しぶりです」
「あぁ、久しぶりだな」
柊は幼等部から知り合い。そんな訳で悔しいことにあの超!無愛想な灘も柊だけには他と比べるとだいぶ愛想が良かった
柊に負けるなんてこの上ない屈辱感を感じるもそれに必死に堪えながら二人の会話に耳を傾ける
そして会話が途切れたところですかさず口をはさんだ
「灘!ちょー久しぶり、いやー灘と再会出来てうれしいよ私!あ、背伸びたじゃない?うん、伸びたよね!うっひょー、成長期だね~。わー…でもやっぱ灘だ、眉間の皺とかとくに!人って基本は変わんないんだね、かっこいー!」
弾丸トークで息継ぎも入れないで喋り灘の肩にぽんと手を置くとより一層眉間に皺がよった
あれ、なんで?
首を傾げてると灘はあの頃よりほんの少し低くなった声で話し出した
「先輩は残念なことに相変わらずですね。取り合えず手、放してくれません?」
だから灘が不機嫌なのか、原因を知って慌てて手を離すと眉間の皺が減った、ような気がした
「ごめんよ、灘ちゃん」
「別にいいですよ。もう慣れましたから」
灘は私から視線を外してそう言った