SとNの法則
「だってさ!あんたもいい加減灘みたいに広い心持ちなよ~?怒ってばっかじゃ人生損だよ柊くんっ!」
「お前に会ってる時点で俺は他の奴らよりかなり損してるんだけどな」
そう言う余りに柊の睨みが恐かったから言い返そうと開いた口を慌てて閉めた
まじで怒ったら恐いんだよね、こいつ(日頃の経験談)
「じゃあ俺この後クラスでHRあるんで失礼します」
「えぇー!」
文句を言おうと口を開いたら柊に思いっ切りはたかれた
私と柊のやり取りに対して馴れている灘は何の反応も見せずぺこりと軽く頭を下げてとっとと人混みに入って行った
「やっばー!灘ちょーかっこいいよ~」
灘の後ろ姿を見つめ気持ちが上昇しすぎて止まらない私は隣の柊の背中をバシバシ叩く
さっき叩かれた仕返しの意味も含めて思いっきり
「テメー俺によっぽど殴られたいようだなぁ……歯くいしばれや」
「今なら柊に殴られても生きていけるよ私!ひゃっほーい」
目をキラキラさせる私に大変哀れな眼差しを向けてきた柊はそねままスタスタどっか行ってしまった(失礼!)
それを私は慌てて追いかけた
「おい、近寄んな」
「おいおい、柊君?自意識過剰は止めてよね」