SとNの法則


かったるい入学式が始まり校長や先生のぐだぐだと必要もない話を聞くのだと思えばそこには柊先輩が副会長として舞台に立っていた


おかげで昔から全校生徒の憧れの存在だった柊先輩の話に新入生全員が耳を傾けている


先生たちは熱心に話を聞く俺らにご満悦で終始ニコニコしている


まさに作戦成功ってことか


「あんなカッコイイ人が副会長なんてやばいって!」


「会長はどんな人なんだろ」


「もっとカッコイイだったりして~!」


新しく高等部から入ってきた女子が目をキラキラさせながらまだ見ぬ会長に胸を弾ませていた


だけど俺は嫌な胸騒ぎしかない


だって会長は絶対あの人だろうから


そして途中で生徒会長として体育館に入ってきた女性はやっぱり俺の見知った人だった


綺麗、可愛いなどと桜井先輩を見て騒ぐ男共


俺もこうしてはじめは騙されたんだなぁ、としみじみと思い出してこれから見た目で判断してはいけないと痛感する


ようやく式が終わり教室に向かってるといきなり腕を捕まれ俺を呼ぶ声に振り返るとやっぱりそこには桜井先輩がいた


久しぶりに近くで見た彼女は見た感じ大人に近づいてたけど喋りだすとやはり俺の知ってる桜井先輩だった


柊先輩がいるおかげですぐに教室に戻るも明日から始まる高校生活は嫌な予感しかしなかった


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