SとNの法則
「灘は私の味方だよね!」
「ちっがーう、俺だって!灘、居残り練習に付き合った恩忘れてないよな?」
巻き込まれる前にこの場を離れようと歩きだした瞬間、両側から腕を捕まれどちらの味方かと耳元で騒がれた
「今すぐ腕はなして下さい」
「やだー灘は私のなのー!」
「俺のー!」
挙げ句の果て俺の引っ張り合いみたいになり一応先輩だからと気を使っていたが容赦なく引っ張る二人に俺の血管はぷちっと音を鳴らして切れた
「…お前ら」
「いい加減にしろ!」
そう言って二人の頭をようしゃなくぐーで殴ったのは俺じゃなく柊先輩だった
「「いったーい!!!」」
よほど加減なく殴られたらしく目尻に涙をため同時に頭を抱え座りこむ桜井先輩に五十嵐先輩
助かったと柊先輩を見ると、迷惑かけたなと申し訳なさそうに謝られた
「や、柊先輩は悪くないんで。原因は…こいつらですから」
目線を下げて二人を見るとすでに復活したようで二人して柊先輩にブーイングをしていた
いつまに仲直りしたんだろう?
「くそ柊の鬼~!」
「よ、燿の悪魔!」
「むしろ魔王!」
「大魔神!」
タッグを組んで気が大きくなったのが交互に喚き出す二人
「ちょっとお前ら黙ってろ」