SとNの法則
「お前らって誰ですかー私の名前はお前じゃありませんー」
「ちょ、しいぴょんまじで怒られるってば」
ほんと腹立つ言い方で言い返す桜井先輩に比べ一度怒られてしゅんとしてる五十嵐先輩はまだましだと思う
だが拳をあげてにっこり柊先輩が笑うとさすがに桜井先輩もやばいって顔をして急に静かになった
「まこは早朝登校だろ、とっとと担任に挨拶に行ってこい」
「あい」
「お前は灘にちょっかいかけずに今すぐ教室行け」
「…はい」
「朝から迷惑かけたな、じゃあな」
そう言って馬鹿二人を引き連れて柊先輩は爽快に去って行った
ほんとに思い返せば昔から柊先輩には助けて貰ってばかりいる
同じ幼等部から通ってる俺をいつも気遣ってくれて小さい頃から俺にとってヒーローは柊先輩
(五十嵐先輩に連れ回される俺を)いつも助けてくれたのも
(五十嵐先輩に無理矢理野球に誘われてる所を)サッカーに誘って連れだしてくれたのも
(五十嵐先輩が邪魔をするなかで)サッカーの楽しさを教えてくれたのも柊先輩だ
きっと俺だけじゃなくこの学園みんなの憧れの的である柊先輩
勉強もスポーツも完璧そんな先輩をも困らす存在がいるなんて正直信じがたかった
あの桜井先輩と知り合う前までは…