SとNの法則


「生徒会長の隣を歩けるなんて灘っちツイてるね~、よっ!ラッキーボーイ灘君、やったね灘君!」


へらへらとふざける先輩に何を言っても無駄なために俺はなす術がなくため息をつくしかない


明日からこんな日々が続くなんて思うと目眩がする


いや、ポジティブに考えろ俺


そうだ、この人と年が違うだけましなんだ


柊先輩なんかクラスも同じで1日中振り回されてるんだ、それに比べて俺なんか朝と昼休みと放課後の計30分くらい


大きく深呼吸をして気持ちを入れ換える


「今日体育でサッカーだったんだけどね、シュート2回決めたんだ~。それにね、」


俺の気も知らずに桜井先輩は楽しそうにそして一方的に喋る中一緒に廊下を歩く


学年によってリボンの色が違うので赤いリボンの先輩を青いリボンやネクタイをつけた生徒たちがジロジロ見てるのがあまりいい気はしない


別に先輩の肩を持つわけじゃないけどああいう興味本位な誰かと区別するような視線は好きじゃない


「先輩はああいうの気にならないんですか?」


そう尋ねると先輩はキョトンとした顔をした後周りの視線に気づきああ、と苦笑した


「うーん、気にしてなくなるもんじゃないし。それに柊といる時はいつものことだったから慣れみたいな感じかもね、生徒会長になったから少なくはなかったけどさ」


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