SとNの法則


「絶対に灘は楽しくないって言うと思ったから色々と対策考えてたのに全部パーになっちゃったよー、つまんないよーう」


手足をバタバタさせて暴れるこの人を見てる限り対策なんて立派なことを考えれるなんて出来るはずがない


対策というのかむしろ強行突破するとしか考えられない


俺のクラスに殴り込みに来て、誰かクラス盛り上げなさいよ!とかなんとか無理難題を押し付けてきたり


今日から1週間お世話になります!と無理矢理クラスに紛れ込んだり


そういうことをしでかす先輩しか想像できなくて自分のロッカーの整理をしている手が思わず止まる


素直に楽しいって言って良かった


「言っとくけど灘が想像してるような強行突破じゃないんだからね!」


頭で考えてたことを見透かされてギョッとして振り返るとムッとした表情の先輩が一人で座るのには大きすぎるソファーの上から俺を睨んでいた


「そんなこと考えてません」


先輩の視線から逃げるように真新しいロッカーに向き直しごまかすように慌てて手を動かす


「なら良いけど、…部活はどう?上手くやってんの?」


チラリと先輩を見ると眉を下げて俺を見ないようにしてるその目はどこか不安そうに揺れていた


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