SとNの法則
青々と広がる空に太陽が一際輝き、ほんわかと暖かい春の風が穏やかに流れる
風に吹かれて舞う桜の花びらは幻想的で私の心まで暖かくなる
はずだったのに私は今それどころじゃなかった
「ほんとごめんって!すっごい反省してる、ほんとごめんなさい」
陽気な音楽が流れる昼休みの教室で羞恥心なんてものはここのクラスに来るまでに廊下の溝に捨て必死に頭を下げる
おかげでさっきまで騒がしかった教室がしんと静まりかえりジロジロと床に正座する私を好奇の目で見ている
だけど灘は私なんて全く視界にいれず眉間にシワをいれながら窓の向こうを見ている
彼は相当ご立腹のようだった
原因はもうお分かりだろうが私である
自覚は十分ある
嘘、ほんとはさっきまこに聞いてやっと分かったところ
だから朝に灘と会ったときいつものテンションでふざけながら話しかけたらお察しの通り返り討ちにあった(つまり言葉の暴力でボッコボコ)
普段の灘ならそんなことは絶対しない、ということは私が何らかの悪ノリをして灘を怒らせた以外考えられない
だから私は考えた
灘が怒った原因が何だったかを、柊に話しかけられた時も(おかげで、無視してんじゃねーよと叩かれた!鬼だ奴は!)授業中もずっとずっと考えた