SとNの法則
「それにしてもあん時の最強に不機嫌な灘の顔見るの久しぶりだったなぁ」
腕を組んでうんうん、と自ら頷きそのまま言葉を続ける
「あれは中等部の時にしいがクールビューティ灘って変なあだ名つけて流行語対象狙った時の怒りの顔だったもん」
にっこり笑いながらそれはもう楽しそうに言ったまこと反比例して私は笑顔をひきつらせる
「うげ、まじですか」
「うん、ちょーまじ」
灘こんな顔してた~!と眉間にシワを寄せ目を細めいかつい顔するまこ
いや、あの日の灘の顔はこんなもんじゃなかった
だってただでさえ普段の顔があんなに不機嫌そうな灘なのにあの怒った顔は忘れもしない
そう、あの時初めて私に対して灘がキレた日を
(今でもあのこと反省している、つもりだ)
ごめんなさいと心の中で謝る
とりあえず今回の灘の怒りはあのふざけたラブレターが原因ってことがまこのおかげで分かることができた
「まこありがと!じゃあね」
「え、どういたしまして?」
お礼の意味が分からないで突っ立ったままのまこと違って原因が分かった私は直ぐさま灘のクラスへと走り出す
まこには感謝だな、うん。
よし奮発してまこにはハッピーターンをあげよう!