SとNの法則
柊を無視して私のステージが始まった
「『ああ、まこちゃんか』」
少し移動してさっきまで私が立っていたところに向けてよ!と手を挙げる
「『けぷっ』…あ、これゲップね」
まこちゃんみたいに可愛らしくゲップをしてみる
「『灘が超ぷんすかぷんだったんだけど』『嘘!まじにー?』『まじかるまじけり』」
よく伝わるように全て大袈裟に動いてみる。にしても移動がめんどくさいな
「『しいちゃんお疲れぽんたー』『ぽんー』」
ノンフィクションのためあの時同様2回ずつお腹を叩く。言っとくけどふざけてないよ?この挨拶はまことのスキンシップなんだから
そして最後にまこちゃんのキラキラスマイルを真似しながら、
「『よし、じゃあ落ち込むしいちゃんにアドバイスしたあげる!あのね燿に聞けばいいよ』」
で、今って訳ですよね
当然、私の演技に拍手はなく柊は眉間に皺寄せたが想定内
「俺に面倒事押し付けやがって!まこ明日覚えとけよ」
ほら、あたしじゃなくまこちゃんに怒りの矛先が向いた
「まあ、そういう訳ですねん、旦那」
へらっと笑ってみるととばっちりなのかギロリと睨まれる
「お前らのふざけた会話のせいで俺のプライベートが丸つぶれなのが腹が立つ」
「ごめーんね」
てへ、と笑ってみたがさらに睨まれた