SとNの法則


柊を無視して私のステージが始まった


「『ああ、まこちゃんか』」


少し移動してさっきまで私が立っていたところに向けてよ!と手を挙げる


「『けぷっ』…あ、これゲップね」


まこちゃんみたいに可愛らしくゲップをしてみる


「『灘が超ぷんすかぷんだったんだけど』『嘘!まじにー?』『まじかるまじけり』」


よく伝わるように全て大袈裟に動いてみる。にしても移動がめんどくさいな


「『しいちゃんお疲れぽんたー』『ぽんー』」


ノンフィクションのためあの時同様2回ずつお腹を叩く。言っとくけどふざけてないよ?この挨拶はまことのスキンシップなんだから


そして最後にまこちゃんのキラキラスマイルを真似しながら、


「『よし、じゃあ落ち込むしいちゃんにアドバイスしたあげる!あのね燿に聞けばいいよ』」


で、今って訳ですよね


当然、私の演技に拍手はなく柊は眉間に皺寄せたが想定内


「俺に面倒事押し付けやがって!まこ明日覚えとけよ」


ほら、あたしじゃなくまこちゃんに怒りの矛先が向いた


「まあ、そういう訳ですねん、旦那」


へらっと笑ってみるととばっちりなのかギロリと睨まれる


「お前らのふざけた会話のせいで俺のプライベートが丸つぶれなのが腹が立つ」


「ごめーんね」


てへ、と笑ってみたがさらに睨まれた


< 36 / 40 >

この作品をシェア

pagetop