SとNの法則
僅かな隙間から必死に少年を見てると自分の体も右に傾いた
原因?それはとっても簡単
おもいっきり私の腕を誰かが引っ張っていたから
こんな事をする人間はあいつくらいしかいない
私は眉間に皺を寄せながら右側にいるそいつの顔を見上げる
ムカつくことにこいつは背が高いのだ
私を見下げてニッコリ笑うそいつの名は瀧下 涼
彼の真っ黒の髪(サラサラ!)は目より少し上の長さで適度に切り揃えられており私を覗きこんだせいか爽やかに揺れる
私の腕を引っ張るスラリと伸びた手に袖を通してるのは黒のスーツでスーツ(実際はワイシャツ)の上からでも分かるくらいの引き締まった体が目立つ
ぱっちりくっきりの大きな目にキリリとした眉毛
そして厚い唇、黒焦げの地肌、無性に生えるヒゲ、低くて大きな鼻
紹介しよう、彼はなんの因果か知らないけど今年で二年間連続の私の担任であるただの一教師、瀧下涼(37)
めちゃくちゃ爽やかな名前とは裏腹に太い眉毛に真っ黒地肌が特徴(チャーポイント)の見た目から中身まで熱血の名前負けしてる彼はしつこく言うがただの桜ヶ丘学園の先生だ
「おう、桜井ー!ビシッとせービシッと」
「はぁ、」
ガハハと豪快に笑うのを見て私は引き攣りながらも笑う
一応言っとくが私はこの担任を嫌いではない