SとNの法則


「柊に出会ってろくなことなかったけどそれなりに楽しかったよ、じゃあまた会う日までな」


「何考えてるか知んねーけど、良いことだってあったろ、例えば灘とかな?」


そう言って柊はニヤリと笑う(気持ち悪い)


いつもならキモいと一言言い返すけどこの時私は『灘』という名を聞いて体温がぐんと上昇し、何も言い返せなかった


柊が口にした名前の正体は、今年で高等部に上がってくるサッカー部エース


この学園には幼等部から通っていてくそ柊の後輩(もちろん私の後輩にもあたるわけだけど)


詳しく述べると


灘 那智
O型の身長168センチ体重52キロ
足のサイズが28センチ


と言ってもこれらは私が中三(つまり灘が中二)のときのデータだから一年もたった今はもう変わってるだろうけど


でもきっとあの綺麗な髪と鋭い目は変わってない、はず


自信がないのはかれこれ私は灘をもう一年くらいまともに見てないからで


高等部に進学した私は中等部はすぐ隣に建っているのにもかかわらず忙しくて会っていない


それでも彼の顔を鮮明に思い出せるのはこの一年ずっと彼が私の心を占領していたからで


今年で三年目を迎えるこの想いは日に日におおきくなっていき今では私を支える一部となっていた


いや、むしろ私の全て!


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