機械魔法伝~第二章~
 サイバーシティーから数キロメートル離れた場所に、現在激しい噴火活動を続けている火山があった。

 火の粉が天空(そら)まで舞い上がり、辺りは黄昏時でもないのに、赤く鮮やかに色付いていた。


 その火山の噴火口の近くに人影が1つ。

 それは1人の少女だった。

 普通の人間ならば瞬時に溶けてしまいそうな温度下にいる中、彼女は平然とした…いや、嬉しそうな顔で火山の噴火活動を見ていた。

 彼女こそがリュカ。サイバーシティーの頭領の1人娘である。


「超能力でバリアを張っても少し暑いかなー…。でも、間近で火山の噴火が見れる事だし、良しとするか!」


 リュカはサイコメトリーという特殊な能力を扱える、ネリクでも希少な超能力者である。

 リュカが火山の熱で溶けなかったのは、サイコメトリーの能力の内の"バリア"を使ったからである。


「今日もスリルを味わえたし、もう家に帰ろっと!」


 リュカは異常な程に"スリル"が好きなのであった…






 ――せわしなく車が空中や地上を行き交う。地上を徒歩で行く者は少ない。

 …ここはサイバーシティー。最先端の科学技術が発達した、科学都市である。

 
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