機械魔法伝~第二章~
 リュカはサイバーシティーの中央にそびえ立つ、巨大なビルの前に立った。

 ドアの前にカードをかざすと、ドアが自動で開いた。

 さすが父親の発明だ…。リュカはそう思って、ビルの中に入っていった。






 リュカは自分の部屋に入ろうと、またドアの前にカードをかざそうとした。

 …だが、その時背後から誰かに右肩をいきなり掴まれた。


「誰ッ!?」


 素早く後ろを振り返る。自分はサイバーシティーを治めている頭領の娘。いつ第三者に命を狙われてもおかしくない。自分はそっちの方がスリルがあって楽しいのだが…

 リュカの後ろにいたのは、少し疲労したような顔の中年の男性―――サイバーシティーの頭領である、リュカのお父さんだった。


「何だパパか…」


 てっきり凄腕の暗殺者などを期待していた。それが父親…。大いにショックである。


「「何だ」…って、そんなヒドい事を父親に言うな」


 それを聞くと、リュカは手を組んだ。


「…で、何の用?もしかしてまた説教しに来たの?」

「当たり前だ!1人でどこをうろついていたんだ!?」

 
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