機械魔法伝~第二章~
 父親の物凄い剣幕に、リュカは少しおののいた。そして、やる気の無さそうな顔でこう話す。


「火山。」

「…火山!?どうしてそんな危険な場所に行ったんだ!俺は部屋にこもって勉学をしろと言っていただろ!?何で親の言うことが聞けない!」


 リュカはその言葉に逆上してしまった…


「だって部屋にこもってばっかじゃつまらないじゃない!あたしはパパのお人形じゃないんだから!それに…あの5年前の事件だって!」


 "5年前の事件"と聞いて、父親の顔がひきつった。

 5年前の事件とは、サイバーシティーが5年前に、ガイによって崩壊した事件である。

 ガイとは呪術師の少年の事だ。事件当時は何と10歳だったとか…

 リュカはちょうどその頃、海底に眠る深海魚というものを追っていて、その事件現場には出くわしていなかったのだ。


「あたしも見たかったのに…どうして連絡してくれなかったのよ!」


 リュカは父親の胸ぐらを掴んだ。

 父親はリュカの行動と言動に驚いた。

 
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