機械魔法伝~第二章~
「…え?」


 リュカがそう言った頃にはもう遅かった。

 とてつもない轟音が当たりに鳴り響く。リュカは訳が分からないまま、その場の岩場に叩きつけられた。


「あれ…何なの!?」


 上空を見上げると…半径十メートルはある隕石が、地上にものすごいスピードで接近していたのであった。


「うわっ…危ない!"バリア"!」


 リュカは身を守る為に、とっさにバリアを張った。


 大地に地震が起こり、隕石が地上に追突する。

 リュカはその様子をバリアの中から目を大きくして見ていた。

 隕石の追突シーンなんて今まで見た事が無かった。まさに最高の…スリルである。


 …さらに、何とその隕石の中から12歳程の少年が出てきたのであった…






 ――隕石の中から出て来た少年は、今のこの状況を全く理解していなかった。

 ここはどこだろう…。自分は一体誰なのか…。頭がズキズキと痛む。ただ、自分の名前が"シャイク"だという事は覚えている。

 何故だか分からないが悲しい。強い虚無感に襲われる。この感情は…何故自分は今ここに…

 
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