ずっと欲しかったモノ~ひねくれgirlの恋~
「杏ゴメンね。
あたし分かってたんだ」
紫苑は
涙を拭いながら言う。
「え??
何のこと??」
「あたしね。
杏が蒼くんに告ったの知ってたんだ。
それで
蒼くんがどんどん杏に
惹かれていってるのも分かってたんだ」
「え…
あいつがあたしのこと??」
あたしが聞くと
紫苑は悔しそうに頷いた。
一瞬夢かと思った。
頬を摘む。
普通に痛かった。
これは
夢じゃないんだ。
「だから…
蒼くんのところに行ってあげて。
あたしは
頑張って吹っ切るから。
蒼くんの彼女が杏なら
何も悔やむことはない」
そう言うと
紫苑は笑った。