ずっと欲しかったモノ~ひねくれgirlの恋~
行くとこなんてなかったけど
あたしの足は
真っ直ぐ屋上に向かっていた。
「ハァ…」
一息ついて
手すりに手を置いた。
あたしさ
こうやって景色見たら
安心するんだ。
お母さんが言ってたっけ。
あたしはよく泣く子だったんだけど
景色見せたらさ
すぐ泣きやんだって。
「紫苑…
あんたも
あいつらと同じだったんだね」
所詮友達なんて
みんな同じ。
紫苑だけじゃない。
みんなそうでしょ??
「あたし…
もうモテることとか
お金とか…
そんなどうだっていいよ」
あたしが今一番欲しい物はさ
あんただけなのにさ。