紅い記憶
小さな手掛かり
11月25日 朝。稔の携帯電話が鳴った。
「・・・はい。」
稔が眠たそうな声で電話にでる。
「あ・・・あの・・・私・・・あの・・そちらに月山桜さんいらっしゃいますか・・。」
相手は女性だ。緊張しているせいか、声が乏しい。
「え・・・失礼ですが、どちら様ですか?」
「あ・・・。すみません。私・・・月山・・・百合というものです。月山桜の・・・母です・・・。」
予想だにしなかった返答に、驚きを隠せない稔。稔の様子がいつもと違うことに気づいた桜が、稔の方へ寄ってきた。
「お母さん!?・・・・そ・・・そうですか。はい、います。少々お待ちください・・・。」
稔は珍しくおどおどしながら桜に携帯電話を渡した。そして桜のお母さんと思われる人からの電話だと伝えると、桜も少し緊張しながら電話口に出た。
「・・・・お電話かわりました・・・。月山桜です。」
「桜!?本当に桜なの!?・・・・・今までごめんなさい!!!」
「え・・・・あの・・いきなり謝られても・・・。私、記憶喪失なんです。」
桜の言葉に驚く百合。
「あら・・・。そうなの・・・、でも私のことを覚えていなくてもいい。会いたいわ。」
桜は稔の方をちらっと見て、勇気を出して返事をした。
「はい。わかりました。」
桜の返事がうれしかったようだ。百合は時間と場所を告げ、電話を切った。
電話が終わると、稔は心配そうに桜を見つめていた。桜は稔の方を向き直り、今日の夕方待ち合わせをしたことを伝える。
時間は今日の18時、場所は東京タワーの正面だった。
「・・・はい。」
稔が眠たそうな声で電話にでる。
「あ・・・あの・・・私・・・あの・・そちらに月山桜さんいらっしゃいますか・・。」
相手は女性だ。緊張しているせいか、声が乏しい。
「え・・・失礼ですが、どちら様ですか?」
「あ・・・。すみません。私・・・月山・・・百合というものです。月山桜の・・・母です・・・。」
予想だにしなかった返答に、驚きを隠せない稔。稔の様子がいつもと違うことに気づいた桜が、稔の方へ寄ってきた。
「お母さん!?・・・・そ・・・そうですか。はい、います。少々お待ちください・・・。」
稔は珍しくおどおどしながら桜に携帯電話を渡した。そして桜のお母さんと思われる人からの電話だと伝えると、桜も少し緊張しながら電話口に出た。
「・・・・お電話かわりました・・・。月山桜です。」
「桜!?本当に桜なの!?・・・・・今までごめんなさい!!!」
「え・・・・あの・・いきなり謝られても・・・。私、記憶喪失なんです。」
桜の言葉に驚く百合。
「あら・・・。そうなの・・・、でも私のことを覚えていなくてもいい。会いたいわ。」
桜は稔の方をちらっと見て、勇気を出して返事をした。
「はい。わかりました。」
桜の返事がうれしかったようだ。百合は時間と場所を告げ、電話を切った。
電話が終わると、稔は心配そうに桜を見つめていた。桜は稔の方を向き直り、今日の夕方待ち合わせをしたことを伝える。
時間は今日の18時、場所は東京タワーの正面だった。