紅い記憶
 なにが、これくらい、だ。


 どれだけ厳重に調べて、情報を確実なものにしてから俺達の前に現れたんだ。


 稔はいろんな疑問を浮かべ、不審に思いながら、どうしても腑に落ちない言葉があった。




『あなた達の学校の保健医が、吉永深雪だということ』



 どうして、吉永のことまで調べていたのだろうか。



「…私が4年前、孤児院を抜け出して、商店街で男性に絡まれているところを…」


「この相澤稔君が助けたってわけね。」


「…えぇ。」




 
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