紅い記憶
 俺が吉永の顔を覗き込みながら聞くと、



「いいえ。ないわ。」





 即答する吉永。



 そして岸和田が話し始める。




「しかし、不思議な連中だな。とりあえず、月山。そのお前の兄と名乗る男が話していた、お前の過去を聞かせてくれないか?」




「そうだな。その東饗子とかいう女が、お前のことを調べていたというのは、何か昔の事と関係あるかもしれんしな。」
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