紅い記憶
 先生に促されて桜は昨日聞いた話をする。





 それを聞いて、先生達が口を開く。





「……火事…か…。でも、桜ちゃん、あんまり気を落とさないでね。」



「そうだぞ。考えすぎも良くないからな。しかし…。…月山のお父さんは結局逃げらなかったということか…」



「足も悪く周りが一気に燃え上がったんでは、逃げようったってな…。」



「そうよね…。」




 そんな会話を打ち消すように、喜治が言った。
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