紅い記憶
「見学?『監視』の間違いじゃない?」



「ご挨拶ね。でも本当に今日は楽しみに来たのよ。誤解しないで。…そうね、明日も来られたら来るわ。」



 東饗子は窓の外を眺めながら、コーヒーを飲んでくつろいでいる。


 東饗子たちの事は気になるが、他のお客さんがどんどん入ってくるため、桜は二人の元を離れ、仕事に戻った。


 桜達の働きぶりを見届けると、東饗子たちは教室から出て行った。



 今日もまた矢野政義は一言も話をしていない。


 とことん無口な人だと桜は思った。



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