紅い記憶
「いや…、桜の学校の文化祭に一般の人も入れるって聞いたから…」



「じゃぁ、何か飲んでって。飛鳥のいれるコーヒーも紅茶も、すごく美味しいのよ。」



 空いている席を指さしながら桜が言った。


 しかし、和樹は気が進まないらしい。



「いいよ。桜の元気そうな顔を見れて安心した。それにさっき、青杉圭という男の子を見かけたけど、結構しっかりしていそうな人だった。飛鳥といのは、窓際にいる彼か?」



「え?うん。」



「なかなかの好青年だな。あ。それから、稔君…だっけ?」


 和樹はまっすぐに稔を見て言う。
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