紅い記憶
 翌日。


 今日は文化祭の最終日。


 午後6時から今日のメインイベントだ。



「稔、お前さ。この学校の言い伝え知ってるか?」


 圭が真剣な表情で聞いてきた。



「言い伝え?」


「『校門の真正面でコクるとうまくいく』やつ。知らないのか?」



「あぁ、知ってっけど興味ねーよ。大体さ、その通りにやってちゃんと効果があった奴っていんのかよ?」



 真剣な圭を尻目に、稔は教室へ向かった。


残された圭は稔の後ろ姿を見つめていた。
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