紅い記憶

　最後の売り上げとして、クラス総出で頑張って働いた。


　東饗子と矢野政義は今日も来ていた。


　時計の針が５時過ぎをまわって、そろそろフリータイムにさしかかろうとしていた時間帯。

桜達のクラスの喫茶店を、生徒の代わりにや担当してくれる先生のところへ挨拶にいく事になった。


　
　学年主任の男の先生で、竹下春夫（たけしたはるお）という怖い人だ。


「竹下先生。２Bの相澤と月山です。今日の６時から、よろしくお願いします。」



　そう言って、早くこの場から離れたい。



　稔も桜も何度かこの先生に怒鳴られたことがあって、あまり好きではない。



「おぅ。任せろー。それより、いいよな、お前らは。知ってるか？この学校の言い伝え。」