紅い記憶
「教師がやってるときは、買うんじゃなくて、貰うんだよ。」


 岸和田は普通なら6個入りのところを7個入れてくれた。


「サンキュ、かっちゃん。」


 岸和田にお礼を言い、ぶらぶらと歩きだす。




「花火って何時頃やるのかな?」


 桜が時計を見ながら言う。



「もうすぐ上がるんじゃん?見に行くか。」



「行く!」



 大分明るくなった桜。


「屋上なら、よく見えるかもな…。」


 二人で屋上へ向かった。

 
 そんな稔と桜の姿を圭が後ろから見ていたことに、2人は全く気付かなかった。
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