紅い記憶
 我ながら、なんか照れくさいほどのくさい言葉だったか。


 稔がそう思ってると、桜は制服のポケットから長細い箱を取り出した。


「はい、稔。ハッピーバースデー♪」


 今日は11月…8日か…。

 俺の誕生日だった…。


「え!?サンキュ。開けてい?」


「うん。」


 ゆっくり包みを開くと、箱の中には腕時計が入っていた。


「わ…かっけーなー。センスバッチリじゃん。ありがと。桜。」



 パーン!

 花火開始まであと1分の合図だ。



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