【短編】弁当男子と桜の季節
「さ、場所とれたし。美佳、行こっか。」

いきなり巧が切り出して立ち上がった。

「ちょ、行くってどこへ!?」

「美佳と散歩だよ。公園デートしてくる。」

「じゃ、あたしたちも〜!!」

綾が挙手して続く。


僕は慌てて巧を引っ張り、みんなから少し離れた。

「何でだよ!笠原と2人っきりになるだろ!!」

「バカ、気ぃ遣えよ!こちとら久しぶりのデートなんだから!!」

知るかよ〜…。

「ま、昼には帰ってくるから。」

落ち込む僕の肩をポンと叩き、巧は行ってしまった…。

綾も後を追って…。



残されたのはふたり…。


ビニールシートの真ん中。



ちょこんと座る


笠原と僕。
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