【短編】弁当男子と桜の季節

男子の場合

「――だって。優介どうする?」


回覧でまわっている花見の案内を巧が読み上げた。


「別にどっちでもいいよ。巧は?」


「めんどくせー気もするけど酒飲めるしな〜。」

そうだよな〜。
酒飲めるけどめんどくさいし…。



悩んでいる僕らの後ろに黒い影が迫る。


「お前ら、参加な。」


いきなり現れた声の主がひょいと回覧板を取り上げ『参加』の欄に僕と巧の名前を書いた。


「ちょ…何するんすか!?斎藤先輩!!」


「俺、今年幹事なんだよ。お前ら、場所取りな。」



は?


「良い所おさえろよ。」


そう言って斎藤先輩は回覧板を次に(勝手に)回した。


「な…何すかそれ!!」


反論むなしく、先輩は遠ざかっていった…。




えぇ〜!?


マジで場所取りすんの!?
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