【短編】弁当男子と桜の季節
ビニールシートの上にお弁当箱が並ぶ。


バスケットにはサンドイッチ。

慌てて作ったからちょっといびつ。

しかも野菜が無かったからツナとたまご、ハムの3種類しかないけど…。


一方、酒井くんが蓋を開けたお弁当箱はキラキラ眩しい程だった。


おにぎりやからあげ、スパゲティにサラダなどなど…。

栄養バランスまで考えられたような色とりどりのおかず。



「す…すごいね!!」

「え?そうかな。」

「これ、全部一人で!?」

「まぁね。」


やっぱり…自分でつくれるんだ。


酒井くんは嬉しそうな顔で、料理の説明をしてくれた。

料理を解説するシェフみたい。

酒井くん、楽しそう。

お料理、好きなんだなぁ。


なかには、もやしがピンクになる裏ワザみたいなのもあって、勉強になる。

「……へぇ…。」


やっぱすごい。


…………。


ん?

酒井くんが急にしゃべるのを止めた。

どしたのかな?


「酒井くん?」

「…は…はい。」

「他にも教えて。」


「…あ、うん。」
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