【短編】弁当男子と桜の季節
恒例のボケも終わった所で、結局僕が行くことになった。


落ち着け〜。


フツーに。


フツーに…。



「あの〜…。」


振り向いた笠原と目が合う。


バレンタインの頃よりちょっと髪が伸びて、雰囲気変わったな…。


笠原にみとれていた僕に綾が声をかける。

「優介、どしたん?」

はっ!!いかんいかん…。

「か、回覧板見せて。」



綾となら緊張せずに話せるんだけど…。

笠原とはな〜んか意識してしまう…。



はい、と笠原が回覧板を差し出した。


見ると、参加者欄に笠原と綾の名前がある。

「優介達も行くんでしょ?」

「斎藤先輩に場所取りしろって言われて、強制参加だけどな。」


ふーん頑張れ〜、と綾のやる気ない応援を受け、改めて回覧板を見る。


開催は…土曜日の6時半。

夜桜だな。


「6時半か…。じゃあ朝から陣取って、昼は俺らで花見しようぜ。」


いきなり肩口から巧が顔を出した。


「うわ!!びびった!」

結局来てんじゃねーか!!
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