【短編】弁当男子と桜の季節
「優介達も行くんでしょ?」

あ…綾!!

「斎藤先輩に場所取りしろって言われて、強制参加だけどな。」

「ふ〜ん。」

そう言ってこっちを見る綾の顔が、超企んでる!!

「がんばれ!!」

綾が背中をつつく…。



何すればいいのよ!?

ムリだって!!

だいたい今、回覧板読んでるんだから邪魔しちゃ悪いし!!


小声でやりとりしていると、巧くんが近づいてきた。

巧くんは回覧板を覗き見して、なにかひらめいたみたい。

「6時半か…。じゃあ朝から陣取って、昼は俺らで花見しようぜ。」

「うわ!!びびった!」

「な、いいだろ?昼は俺らの花見!決定!!」




昼にもお花見?


どうする?って聞こうと思って綾を見る。

「勝手に決めないでよ!!第一、昼は日焼けするからやだし!!」

「いいだろ!?春なんだし!!」

「春は紫外線が強いの!!」

綾…巧くん…。

ほっとかないで〜!



困って、酒井くんの方を向いた。

酒井くんもこっちを見て、やれやれって顔してる。

け…ケンカ止めなきゃだよね!



「わっ…私は、綾が行くならいいよ。」
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