quirk of fate


バスケ部はヤンキーばかりだし、


陸上部はイジメが酷いらしい。


ラグビー部は熱血で汗だらだら。
(僕は男くさすぎるのがあまり好きじゃない)



丁度いいのはテニス部。


部員の殆どが僕のような冴えない感じだった。


それをいいことに同じクラスの秋山隆志と体験入部することにした。


秋山は小さい頃からテニスを習っていたらしく、


本人曰くそれなりに上手いらしい。


彼は分厚い眼鏡を持ち上げながら鼻高々に話していた。


そんな彼の得意げな話を聞いていると、


テニスが好きなことがひしひしと伝わってきた。


秋山と違って不純な理由でテニス部に体験入部する自分が少し恥ずかしいなぁとも思ったりした。



別に本格的に入部する訳ではないのだけれど。



僕等の高校には屋上に一つ、少し離れた場所に一つテニスコートがある。


それを女子テニス部と交代に兼用していた。



その日は男子が屋上を使う日だった。







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