One lack
第一幕
言うは易く行うは難し
アイツと出会ったのは、高校二年生と言う微妙な頃合に転校させられた日の翌日。
学校が変わったからと言って他に何かが変わったわけでもなく、ただただ退屈な授業が面倒くさくなる程に晴れ晴れした小春日和に誘われて初めて屋上へと駆け上った日だった。
どこの学校も似たようなもので、元々生徒が許可無く屋上へでる事は禁止されていたけれど元々姉がこの学校に通っていた事もあり合鍵を預かっていた為に屋上へ出る事自体は難しくなんてなかった。
事前に預かった鍵で閉まっている鍵を開け、がちゃり、と重たいドアノブをまわす。
重さに耐えながら、私はゆっくりと扉を押し開いて。
そして目の前に広がったのはやはり、清々(すがすが)しいくらいの青空だった。
「はぁー……」
零れるのはため息。
息苦しい世界に、唯一訪れた安らぎを得た、その感動で出たため息だった。
滅多なことでは使われないと言っていた屋上のとある一角。
給水塔のすぐ下にあたる場所にこっそりと、ひっそりと置かれていた“もの”に私の目はすぐに気がついて。
私は駆け足でその場所へと近付いた。
学校が変わったからと言って他に何かが変わったわけでもなく、ただただ退屈な授業が面倒くさくなる程に晴れ晴れした小春日和に誘われて初めて屋上へと駆け上った日だった。
どこの学校も似たようなもので、元々生徒が許可無く屋上へでる事は禁止されていたけれど元々姉がこの学校に通っていた事もあり合鍵を預かっていた為に屋上へ出る事自体は難しくなんてなかった。
事前に預かった鍵で閉まっている鍵を開け、がちゃり、と重たいドアノブをまわす。
重さに耐えながら、私はゆっくりと扉を押し開いて。
そして目の前に広がったのはやはり、清々(すがすが)しいくらいの青空だった。
「はぁー……」
零れるのはため息。
息苦しい世界に、唯一訪れた安らぎを得た、その感動で出たため息だった。
滅多なことでは使われないと言っていた屋上のとある一角。
給水塔のすぐ下にあたる場所にこっそりと、ひっそりと置かれていた“もの”に私の目はすぐに気がついて。
私は駆け足でその場所へと近付いた。