運命

憂が部活を辞めてからしばらく経ったある日。
志帆が部活にやって来た。
いつも通り部活が終わり和樹は遥を先に帰らせて志帆を残らした。
『どしたの和樹？私を残らして何か用？』
『単刀直入に聞く！美優をいじめてたのはおまえか？正直に言ってくれ!』
『‥‥‥』
『何で黙ってんだよ！本当におまえがやってたのか‥？なあ!!』
『‥‥そうよ!!私が美優をいじめてたの!』
『やっぱりおまえか。何でだ？おまえと美優は幼なじみで親友だったじゃないか!!!』
『幼なじみで親友？笑わせないでよ！最初から親友じゃなかったわよ!!』『じゃぁ何でだよ！何で美優を登校拒否にさせるくらいまでしたんだ！』激しい剣幕だった。
『だって！美優が‥私から憂を奪ったんだもん!!』
『なっ‥奪ったって‥？』
『私は、中学の頃から憂の事が好きだった。』
志帆は、涙ながらに語った。
『だけど‥言える勇気がなくて別荘に行った時こっそり美優だけに教えたの。美優は応援してるって言ってくれた。だから私は告る決心がついたの‥。』
これまで語ることのなかった志帆の気持ちを和樹の前でさらけ出した。
『それが‥ある日を境に憂と美優の様子が変なのに気がついた。２人とも幼なじみだからすぐに気がつく。それで、あの日‥朝から美優の様子が変だったから昼休み美優が屋上に行くのをつけたの。そしたら美優が憂と付き合うって言ってそれ聞いた瞬間美優に対する憎しみが湧いてそれで‥いじめをした。』
『黒板に書いたのも志帆？』
『うん!!みんなの反応と美優の反応を見たくて‥‥』
『それからだな!!美優に対するいじめが始まったのは‥。』
『そう‥。それから美優は来なくなった。いい気味だと思った。大事な人を奪ってしまった気持ちを味わえって思ってた。でも‥だんだん虚しくなっちゃって!これでよかったのかなって‥。』
『いや、よくない！憂は気づいてたんだ！志帆がもしかしたら自分を好きなんじゃないかって』
『う､うそだよ！だって憂は美優を選んだんだよ！気づくわけが‥。』
『気づいてたんだ！だからおまえが美優にいじめをしていたのは自分のせいだと言って部活を辞めた。』
『そんな‥憂のせいじゃない！私の‥私のせい！美優のせいでもない！勝手に勘違いしてた。美優に謝らなきゃ！』