運命
そして楽しかった旅行も最終日。
『あ〜帰りたくないー!!もっと居たいなぁ〜』
『本当だねぇ〜もっと遊びたいょ!』
そう言いながらもせっせと荷物を詰め込み出発した。
家に着くと『ばいばーい!明日練習あっから遅れんなょー!!』
『わかってる!じゃーねー!』と手を振り別れた。

そして次の日。
私は、いつもの通りギリギリに登校し楽器の練習をしていた。
しかし、いつも早めに来ている憂の姿がなかった。
『あれ?憂は?』
『さあ?見てないけど‥』
誰も憂の姿を見ていない。もちろん憂の友達でもある和樹や遥も‥。
『どしたんやろ?心配やなぁ!』
『まぁ、おおかた寝坊でもしたんじゃない?』
『美優じゃないんだから!!』
『あははは!』
そう笑いながらも心配はしていた。
『めったに休む憂じゃないのに‥』呟きながら憂の家に向かった。
インターホンを押すと母親が出てきた。
『あらー!美優ちゃん!』
『お久しぶりです。憂は?』
『あら?あのこ部活に行かなかったの?』
『えっ?ええ‥。』
『まったくどこ行ったのかしら‥』
『あの‥憂が居ないんなら帰ります。』
『ごめんね。』
『あ、いえ。それじゃ』『じゃあね。』
そんなことで会話を終わらすと足早に家へと帰った。
家に着くと着信音が聞こえ自分の部屋に行った。見てみると志帆からだった。
『もしもし。』
『あ、美優?』
『どしたん?』
『憂居たぁ?憂の家に行ったんでしょ?』
『うん…。でも憂居なかったょ!』
『そうなん?どこ行ったんだろうね?』
『まあ、明日になったらわかるんじゃない?』
『だよねー!じゃぁ要件それだけだし切るね!!』『ばいばーい!』
そうやって電話を切るとベッドに横になった。
まったくなにしてんだか‥。
しかし、次の日も憂は部活に現れなかった。
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