星に願いを


-放課後-

「…せんせ…、これはいったい…?」


あたしが先生に連れられて行った場所は・・・


「牧野、新学期早々遅刻ってことで。
空き教室の掃除よろしくな!!」


人目につかない空き教室。

少女漫画や今どきの胸キュンケータイ小説なら・・

ここで先生と禁断の恋・・!?


・・・なーんて展開期待しちゃうよ。


でも、ゴリ(先生のあだ名)だしなぁ。
ゴリ・・・だしなぁ。

ないない。

そんな妄想をしていたあたしの目の前に広がった風景。


…みたことないような光景。

ホコリホコリホコリ……


「ちょ、せんせ!あ、あたしだけでですか!?」

しかも、暗い!

めっちゃおばけでそう…

「陽向も希空も、逃げやがったからな・・・
ま、おまえなら一人でも大丈夫だろ!!
うらむならおまえの兄と幼なじみを恨め!」


そう言って先生はあたしを置いていった。


「・・・・失礼・・しまーす。」


誰もいない空き教室。

なぜか、そう言わずにはいられなかった。


ほうきを握りしめ(陽向、希空・・おぼえとけよ・・・)
怒りをホコリに託して掃除を始める。




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