あたし彼氏。オレ彼女。


でも俺は美知琉じゃない。


郁だよ……。





「美知琉ってば!」


―パチ


「ほ、ほら皆見てるから離れて…離れろよっ…」


夢から覚めれば俺の顔のドアップ。


それは俺の姿をした美知琉でして。


何故か手を美知琉の首元に回しちゃってるし。


元通りになってたのは夢か。


……クスクスと笑う声が聞こえた。


はっきりしない頭を回転させ、辺りを見渡すと母ちゃんと夏姉と潤兄が部屋の入口のとこにいる。


「郁〜恥ずかしがんなよ。愛しの美知琉ちゃんだよ〜」


「うる…うるさいっ」


今、うるせーかうるさいか言い迷ったな。


つーか…今何時?

何で皆俺の部屋に集合してんだよ。





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