あたし彼氏。オレ彼女。


別に嫌だったわけじゃない。


たんに恥ずかしかっただけ…。


顔を上げて郁の方に目を向けると視線が重なった。


「ごめんね」


「…ううん…大丈夫…」


あたしが軽くほころぶと郁もあたしに微笑んでくれた。


ゆっくりと近づく郁の顔。


あたしは目を閉じた。


「美知琉ちゃん!一緒にお話しましょうー」


キス寸前で扉が開き、あたしたちはお互いを突き飛ばした。


ま、お約束だからね…。


「…何やってんの?」


「何でも?ないよ?」


お姉さんはよくわからないっていう顔をしてでていった。


あたしたちも一階に降りた。





.
< 107 / 190 >

この作品をシェア

pagetop