あたし彼氏。オレ彼女。
別に嫌だったわけじゃない。
たんに恥ずかしかっただけ…。
顔を上げて郁の方に目を向けると視線が重なった。
「ごめんね」
「…ううん…大丈夫…」
あたしが軽くほころぶと郁もあたしに微笑んでくれた。
ゆっくりと近づく郁の顔。
あたしは目を閉じた。
「美知琉ちゃん!一緒にお話しましょうー」
キス寸前で扉が開き、あたしたちはお互いを突き飛ばした。
ま、お約束だからね…。
「…何やってんの?」
「何でも?ないよ?」
お姉さんはよくわからないっていう顔をしてでていった。
あたしたちも一階に降りた。
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