あたし彼氏。オレ彼女。
エレベーターを待つこと数分。
なかなか来ない。
美知琉はしょぼくれてるし。
沈黙が続く。
「…あんまり気にすんなよ。美知琉のせいじゃないよ?」
「そうだけど…」
また俯く。
「大丈夫だよっ!
どうにかなるから安心しろって!」
俺はそういうと美知琉の手を握った。
女の手で男の手を握るのって、いつもと違う感じ…。
いつもは逆だから。
それに美知琉の手は小さい。俺より一関節くらい違うと思う。
「何か変な感じだね。
自分と手、繋いでるみたい」
美知琉から小さな笑顔がこぼれた。
俺が笑って見えるんだけど…。
俺、こんな風に笑ってるんだ…。
そう思った。
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